アメリカで見つけたMade in Japan -ハリケーンランプ Winged wheel-の話2
前回に引き続き、私の所有するWinged wheelのハリケーンランプの話です。
No. 350-番外編
前回、赤色のランタンばかり紹介しましたが輸出されていたWinged wheelにも結構なカラバリがあったようで、私も赤の他に青や緑、黄色などの個体を持っています。それ以外にも、紫や淡彩のメタリック系の色も見かけたことがあります。ホヤもクリアだけではなく、ボデー色に合わせたカラードのホヤもありこちらも雰囲気満点でお気に入りですがクリアホヤのものよりさらに見つからないため入手困難です。
さらに珍しいのが、オイル口のキャップが樹脂キャップになっている個体です。
通常は金属製のロゴが入ったネジ式のキャップなのですが、これは白い樹脂キャップになっています。田舎のアンティークショップで見つけたのですが、見つけた時はキャップを紛失して適当な樹脂キャップをつけたのだろうと思いましたが、よく見るとキャップを取り付ける穴側にもネジ形状がなく、穴の内側もボデー同色で綺麗に塗装されていることから元からはめ込み式のキャップだったようです。
ただ、これについては私が見つけたこの個体以外、ネット上を探しても一切情報がなく元々こういった仕様なのか、イレギュラーで製造されたエラー品なのか全く分かりません。もし、どなたかご存知の方いたらぜひ教えてください。
細かな仕様差ですが、タンク部分のエンボスにもいくつかパターンがあります。
私の持っているランタンで確認すると、①No.350の後ろの星印の有無、②No.のOの字体、③MADE IN JAPANのサイズなどで主な違いがありました。他にも字体やロゴのマークが微妙に違うように見えたりなどもありますが、こちらは金型のばらつきやプレスのばらつきもあると思うので特筆はしていません。
年式ごとの一貫性もなさそうで、年式によって型が変更されたのか、複数の型が同時に使われていたのか分かりません。
この他にもレアなところで行くと、輸出されていたNo.350の中でも一部アメリカの大手デパートのSearsから発注を受けていたこともあるようで、芯調整のホイールと燃料キャップのお馴染みのWinged wheelロゴの代わりにSearsのロゴが刻印されたものが存在します。Sear’sから発注されていたことを考えると本当に相当量が当時アメリカに輸出され、その品質が認められていたのかなと想像しています。実際、購入することはできませんでしたが見かけたSearsモデルは全て後期モデルでした。
参考:Amazon
このように、様々な細かい仕様があるビンテージ Winged wheelのNo. 350ですが、皆さんのランタンはどのような仕様でしょうか?私が紹介した以外の仕様など新たな情報ありましたら是非教えてください!
No. 400
・4分芯(12mm)
・タンク容量 200cc(14時間)
続いて紹介するのがNo.350より一回り大きいNo.400です。
個人的にはNo.400が一番キャンプ等で実用的なサイズと思っていています。キャンプのメインでガシガシ使っているのがDEITZの’76なのですが、下に’76とNo.400の比較を貼っておきます。’76とほぼ同じ(気持ち小さい)くらいなので、’76よりメジャーな’78よりかは一回り小さいくらいなのかもしれません。
こちらもNo.350と同じく既に型が無くなっているため、残念ながら再生産されることのない貴重なモデルです。私の感覚ではビンテージ品の流通量もNo.350と比較してかなり少なく、特に状態の良い個体は特に入手が難しいように思っています。
私もNo.350ほどは入手することができず、No.400に関しては中期と後期のモデルにしか出会えませんでした。
中期、後期ではNo.350ほど使用差がなく、違いとしては芯調整のホイールの塗装有無くらいになります。
No. 500
・5分芯(15mm)
・タンク容量 300cc(15時間)
最後に私が持っているWinged wheelの中で一番大きいNo.500になります。
こちらは唯一金型が現存しており、ほぼほぼ手作業なので数は少ないですが現在も生産があるモデルになります。
ちょうどよく比較できるサイズのハリケーンランプを持っていないため、 コールマンのガソリンランタン200Aと比較してみました。ご覧と通りサイズ感としてはほぼ同等で、存在感があります。もちろん明るさはオイルランプなのでそこまで明るくないですが、No.400より芯も太く明るいため、こちらも実用的なサイズかと思います。
私にはちょっと大きく取り回しに気を使うため、あまりキャンプでは登場しませんが。。
現在でも新品を入手できないことはないNo.500ですが、ビンテージのNo.500の良さの一つにホヤがあります。現行の No.500はツルッとしたホヤですが、ビンテージのNo.500で古いものだとホヤにWinged wheelロゴのエンボスが入ったホヤになります。このホヤが可愛すぎて購入したのですが、もう入手することのできないエンボス入りのホヤを割ってしまったらと思うと中々キャンプに持っていきにくいのが悩ましいところです。
No.500も私は中期と後期モデルのみ持っていますが、こちらも仕様差としては芯調整ホイールの塗装有無になります。
ホヤについても中期の方がくっきりしていて、後期の方がぼんやりしていますがこちらはばらつきのようにも思います。よく見るとそれぞれ羽の枚数も異なっていたりと差がありますが、どちらもいい味出しています。
その他の違いとしては私が持っているNo.500のタンク底にはWFSというエンボスが入っています。
このWFSについて色々調べると当時アメリカでボーイスカウト関連のアイテムを販売していたWFS(World Famous Sports)というメーカーがあり、主に製品を日本などのアジアで造っていたとあるので、ハリケーンランプもWinged wheelにWFSから生産依頼があり作られたものなのかなと思っています。
これ以外にも電球のモデルがあったり、電気式のランプのモデルがあったりと様々な仕様のビンテージ Winged wheelがあり、自分のランプがどのようなモデルなのかを調べるのも中々楽しいですね。
何よりもそのシンプルな構造のため、50年以上前に作られたにも関わらずホヤさえ割れていなければ、ほぼ現役でキャンプで使えるという実用性、そしてその灯りの柔らかさとランタン自身の雰囲気も満点なWinged wheelのハリケーンランプ、チャンスがあれば是非手に入れてみてください。特にアメリカ滞在中の方は、まだ日本よりかは安価に入手できる可能性が高いのでおすすめです。
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